【滅亡の焔】 「なぜ重衡は、囚人なのに、周囲の人に親切にしてもらえるの?」④

〈平家物語~語りと弦で聴く~滅亡の焔 2021/10/28・29〉。

内裏で建礼門院にお仕えする女房の建礼門院右京大夫、その家集には平家の公達たちのことがよく出てきます。同時代の女房の目に重衡はどのように映っていたのでしょうか。重衡が一の谷の戦いで生け捕りにされ京の中を引き回されたときの詞書と和歌を現代語訳で…。

重衡の三位中将が、おつらい目にあって都に戻ってくるという噂が流れたころ、むかし親しくしていだいていた公卿のなかでも特に、朝夕慣れ親しんでいて、いつもおもしろいことを言い、またちょっとした依頼でも人のために便宜を図っておられたことなど、こんなにすばらしい人はめったにいないのに、なんの報いでこのような目にと思うと、つらい。姿を見に行った人が、お顔は変わっていなくて、とても見ていられなかったなどというのが、もうつらくて悲しくて言葉になりません。

あさゆふに見慣れすぐししそのむかし かかるべしとは思ひてもみず(213番)

朝夕いつもお姿をみていた昔は、このようなことになるとは思ってもみませんでした。

昔、重衡が宮中でおもしろいことを話している様子はこちら

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